新着情報 開智所沢中等教育学校 > ブログ > Vol.13 大学教授による物理の特別講座を実施 新着情報 新着一覧 生徒の取り組み イベント お知らせ 入試情報 ブログ Vol.13 大学教授による物理の特別講座を実施 2025.05.09 「見えない世界を、見てみよう」 〜東京学芸大学 小林晋平教授 特別講演〜 本日、東京学芸大学の小林晋平教授をお招きし、特別講演が行われました。テーマは「電気と磁気」、そして「見えないものを見る方法」。1年生を対象に、科学の奥深さと面白さを体感する時間となりました。 講演の冒頭、小林先生は「ものの見方で世界が変わる」というメッセージを、シミュラクラ現象(※三つの点が顔に見える錯覚)を例に紹介。さらに、偏光板を使った“壁がないのにあるように見えるおもちゃ”を使って、「私たちが見ている世界がすべてではない」ことを分かりやすく示してくれました。このおもちゃを手に取った生徒たちは、「どうして壁があるように見えるの?」「色を変えるとどうなる?」と、自然に議論を始め、自分の手で触れて確かめながら試行錯誤を重ねていました。“考える”だけでなく、“いじって考える”という学びの楽しさを味わっていたようです。 面白がる力を育てることが大切と語る小林教授 生徒からの発言が多く、挙手が絶えません 続く講演では、電気や磁気といった「目に見えない力」をどう可視化できるか、実験を交えながら紹介されました。静電気によって物体が浮遊する実験シャープペンシルの芯に電気を流して赤く発光させる実験磁性流体の不思議な動きの観察こうした体験を通じて、生徒たちは科学の“見えない世界”に少しずつアクセスしていきました。 磁性流体で可視化した磁力を観察しました 講座終了後、教室にこんな感想が残されていました 講演の最後、小林先生は「なぜ勉強するのか?」という問いを投げかけます。「世界は、自分が思っている以上に広く、深く広がっている。『ああ、こんなものか』と自分で限界を決めてしまえば、それ以上世界は広がらない。想像できない、未知の世界がきっとある。だからこそ、学び続けてほしい」受験という大きな山を越えたばかりで、次の目標を模索している1年生にとって、この言葉は胸に響いたようです。講演中の教室には、真剣なまなざしと熱のこもった空気が広がっていました。 講演終了後も、会場に残って質問をする生徒が後を絶ちませんでした。「ブラックホールって、宇宙に何個あるんですか?」そんな問いにも、小林先生はにこやかに耳を傾けてくださり、知的好奇心がどんどん広がっていく様子が印象的でした。あっという間の1時間。今日の講演は、生徒たちにとって“世界の見方”が少し変わる、そんな貴重な機会となりました。 講演者 小林晋平 教授 (宇宙物理学者)東京学芸大学教育学部物理科学分野 教授。慶應義塾大学自然科学研究教育センター協力研究員。学校法人開智学園理科教育顧問。京都大学理学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学) 。専門は宇宙物理学および物理教育。一般向けの科学イベントや講演会での講師を多数務め、2025年7月から始まるEテレ「3ヶ月でマスターするアインシュタイン」の講師として全12回の出演決定。